禍福糾える縄のごとし

 

 

いま幸せだよ。きっと不幸せな日だってあるけど。

 

10年前は泣いてばかりだったから、だいぶ笑えるようになった。

 

家にいるのがつらくて、でも病気で半分寝たきりで。学校もまともに通えず、趣味だって布団の中で出来る範囲で。

いちばんの友達はお母さん。

音楽の共有をして一緒にライブに行くようになった。

 

わたしの撚り糸は、始めにたくさん不幸が来たからいま幸せがいっぱいというアンバランスな感じ。

だからこれから先の糸はバランスよく、良くも悪くも進んでいけたら幸せだなと思う。

 

これからもよろしくね。

わたしの周りにいてくれるみんなが幸せでありますように。

 

 

 

追憶、不意にわく記憶、歪曲

 

 

寝息を聞きながら眠りにつけるような関係になりたかった。

 

 

小学生のころ、音楽の授業が難しくて苦手だった。音符は読めないし、言ってることよくわかんないし。

でも歌う事は好きで、いつのまにか合唱だけは全力でやるようになっていた。音楽を特別視はしていなかったいい子ちゃん。

 

流行というものだけで音楽を聞いていた子供時代から、自分の好みで音楽を聴くようになった思春期。

1つのバンドをとても好きになった。

 

後にも先にも、こんなに引き寄せられることはないんだろうなって。まさに恋に落ちたような、運命の出会いのような。

 

ロックに救われたし、きっとこのバンドを救った。ファンという概念からはずれた自分がちゃんと応援したバンド。

 

歪な思春期、父親の怒鳴り声から逃げるためにイヤフォンから流していた。

当時付き合っていた彼氏に、機能不全家庭だとは話せず友達にもなにも言えず、可哀想な子になりたくなくてひたすらに耐えた。

 

ただひとりで泣いていた。

わたしなど生まれなければよかったと、死ねと言ってはダメならわたしが消えればいいと。

自分を否定することが自分の存在を確認する唯一の術だった。

 

とにかく苦しくて、縋り方もわからなくて、関わる男の人は自分を傷つける存在だと思い込んで生きるしかできなかった。

 

ただただ怖くて逃げることさえできなくて。

 

現実逃避のためだけに流していた音楽だった時もあった。

でもいつでもその音楽はわたしを肯定してくれた。どんなわたしでも。

 

高校2年生のときに初めてライブというものに行った。クラスの友達と4人で。

 

高校3年生、ファンクラブライブというものに行きたくてお母さんと東京と名古屋へ。

人気だからチケット取れないかもと二箇所申し込んだら両日当選。

名古屋はオールスタンディングライブなのに、二階席の最前列端。ボーカルの目線の置き場ですごい席だった。

 

某飲料メーカーの新人発掘イベントのゲストアクトでライブにすっかりハマったわたしは申し込む。完全無料招待のみのライブに無事当選、整理番号004と考えてみれば運は全てチケットに。

 

順調にそのバンドを好きになった、とにかく追いかけた。CDは予約して、雑誌は出る日に書店へ、ラジオはMD録音しながら同時聴取。

 

検索もいっぱいして、少しでも情報を拾いたくて。

 

配信限定なら着うたフルを、PVのショートバージョンを着信に。

 

まっしぐらで、いつしか中高付き合った彼氏とも別れて、歪んだ感情でサークルの男の子と付き合って。

 

一緒にライブに行ったり、意外とちゃんと青春ごっこをした。

 

でも得られなかった感情を今になって。

解散して約1年半して、まさかこんなに話す日がくるなんて。

好きすぎて否定されることがこわかったから、100で好きなことを言えなかったのが、まさかこんなに近くに。

 

 

ちゃんと評価されていた。愛されてたよ。

そしていまも、みんな大好きだから。

こわがらずに、彼らが音楽を続けられますように。

縷々る

 

 

思春期特有の病み期だと思っていたのが、疾患だったと気づいた時の哀しみは果てしなかった。

 

小学校の卒アルのプロフィールに性格の欄に[神経質]と書いてるわたし。絶対病んでる。

 

中学の卒アルは各クラスの子から名前連呼されてた。愛されていたなあ、気づいてなかった。

 

受験した公立校には落ちたけど行った高校が正解で、わたしにはよくあってた。

すきな人はできなかった、だってバカが中学時代に男性恐怖症へのきっかけ作ったんだもん。

 

まあ、中高って付き合っていたひとと友達以上恋人以上みたいな精神性でずっといたな。体の関係はない。

しかし、のちにネットストーカーになる。

 

なんやかんやで途中で転校した。ここの高校でも先生から特別扱い。まあ成績満点だったから。いい子の塊。帰りは街を散歩してひとりでゲーセン寄ってUFOキャッチャーでぬいぐるみ抱えて帰ってた。

 

そもそも持っていた自己肯定感は低いんだろうけど、まわりに恵まれて自分を否定することは実家を出てから少なくなった。

ただ歳を重ねるごとに病み方が変わっていった。

 

大学の講義中に寝てしまうこと。

座学でぐらぐら揺れてしまうこと。

声は聞こえているのに言葉として認識できなくなること。

急に目が霞んで字が読めなくなること。

外が怖くて家から出られなくなる日があること。

家から出て落ち着かないから歩き回ってしまうこと。

自分がしんどくなるのわかっててトラウマを想起させる本・漫画・映画を選択してしまうこと。

空腹なのに何を食べていいかわからなくなること。

 

計算なのか、素なのか自分でもわからなくなる。とりあえず今の自分の精神状態は最悪。

 

夜寝るのってこわいよね。

かといって誰かの横で眠れないけど。

 

 

憧れなのに、彼氏の家で一緒の布団で眠ること。

わたしにはかなわぬ夢。

陥り、散り落ち

 

 

自堕落な恋愛をしたい。

 

好きって言わなくても許されて、パジャマで1日中だらだらして、気が向いたら散歩して。

 

さみしくなったらぎゅってして。

こわい夢をみたら泣きついて。

 

異性の友達とオールしたってよくて、束縛されなくて、呼び出したら迎えにきてくれて。

 

お金に余裕がなくても気持ちに余裕があって、雰囲気で持ってってくれる、わたしの気の抜いた状態をみてもかわいがってくれる、賢いくず。

 

 

 

 

 

 

てのひらで転がされたい。いくらでも転がるから。

 

わたしが空気読んでバカな発言しなくていい、ただ安心できる人ならなんでもいいや。